お母さんはもう大急ぎで
暗黒魔王の隠れ家にやってきました。
神さまの使者であるお母さんも
さすがにペケ君を囚わえられていては手も足も出ません。
「おい!白キツネ」
「はい・・」
「お前の息子がワシの領地に無断で入ったので捕らえた」
「お・・お母さん・・ゴメンなさい・・」
ペケ君はお母さんに謝りました。
「だまれ!小僧!おい・・白キツネこの始末・・どうしてくれるのだ?」
「魔王さま・・お赦しください」
「フン!お互いの間で交わした約束は知っているであろう?」
「はい・・・」
悪の使徒である暗黒魔王は神様に悪行の償いとして
ささやきの森に封じこめられていたのです。
そのときに暗黒魔王の領地となつた「ささやきの森」には
決して何人も立ち入らない
その代わりに暗黒魔王も「ささやきの森」にとどまり
森の外に出て他の人に悪行を
行わないとの約束がなされていたのです。
そして神様は結界の境界番を紫陽花に託していたのです。
「どうした?白キツネ?なんとか言え」
「魔王様・・まことに申し訳ありませんでした」
「申し訳ない?それだけか!?」
「子供の罪はこの私が・・」
「お前が責任を取るのか?面白い・・
それでは・・お前をささやきの森に閉じ込めるが それでもよいのか?」
「そ・それだけは・・」
神様の使者であるペケ君のお母さんが悪の象徴のささやきの森に
閉じ込められてしまうと神通力は消えうせ、やがて死んでしまうのです。
「いやなのか?それでは小僧を食べてしまうぞ!」
恐ろしい形相で大きく口を開いた暗黒魔王がペケ君に迫ります。
「ま!魔王様・・お許しを!」
お母さんは必死です。ペケ君はガタガタ震えているだけです
「どうするのだ!白キツネ!!」
「わ・・判りました・・その代わり・・子供は お許しください」
「そうか・・よし オイ!白キツネをささやきの森に閉じ込めろ!」
暗黒魔王は手下に命令をします
そしてペケ君のお母さんはささやきの森に封じこめられてしまいました。